運動神経は関係ない!?
乗馬は、年齢・性別・体力に制限のない、誰にでも幅広く楽しんでいただけるスポーツです。
とはいっても、
「運動神経の良し悪しも関係あるでしょう?」
そう思われるのではないでしょうか。
いえいえ。そんなことはないんです。結論から言ってしまうと、乗馬の上達に運動神経はあまり関係ありません。もちろん、運動神経がよい人の方が上達は早いこともありますが、乗馬は上手でも、他のスポーツは全然ダメという人も珍しくありません。
それでは、乗馬が上達するのに必要なポイントとは何でしょう。
乗馬上達 3つのポイント!
経験値を上げる!
乗馬は経験がものをいうスポーツです。ご存知、ロンドンオリンピックに71歳で出場を果たした馬術の法華津寛(ほけつひろし)さんをはじめ、第一線で活躍する馬術選手や競馬騎手の中には経験豊富な高齢選手もすくなくありません。
乗馬の上達も、鞍数(騎乗した回数)を重ね、経験した分だけレベルアップしていくもの。とにかくたくさん馬に乗るというのが近道です。個人差があるので、これだけ乗ればこのくらいできる、というような目安はありませんが、鞍数を重ねていく度に上達していくことはまちがいないでしょう。
柔軟性を高める!
馬に上手く乗るには、如何に体の力を抜けるかどうかが重要なため、馬の動きにスムーズに合わせられる体の柔らかさがとても大切です。大人と子どもでは、子どもの方が上達が早いものですが、それは子どもの体の方が圧倒的に柔らかいため、乗馬の上達スピードが早いと言えます。特に股関節の柔らかさが乗馬では重要になるため、日頃から1日10分程度でも股関節周りのストレッチをするとよいでしょう。
バランス感覚を鍛える!
乗馬をする上でバランス感覚は、最も大切なポイントと言ってもいいかもしれません。初心者はどうしても脚に力を入れてしまいがちですが、鐙ではなく坐骨でバランスを取るよう心がけましょう。意識して腰を張るようにして坐骨が起きるようにすると、姿勢も美しくバランスも取りやすくなります。横から見て頭・肩・お尻・かかとが一直線上になるようにすると前後のバランスも整っている状態です。こうすることで、馬の動きにもスムーズに対応できるようになるでしょう。バランスボールを使って自宅でトレーニングするのもおすすめです。両足を地面から放し、なるべく足を着かないようバランスをとります。ポイントは、姿勢を正して坐骨で座ってからバランスを取ることです。
軽速歩マスターが上達の近道!
馬が速歩になるとライダーは大きな上下動を感じます。この上下動を反撞(はんどう)といいます。軽速歩とは、ライダーの乗り方のことを指します。馬の速歩の一歩おきに体を浮かせて反撞を抜き、人馬の疲労を軽減するようにします。
この軽速歩のマスターが初心者における上達の近道です。実際に乗ってみたことのある方ならわかると思うのですが、馬が速歩をすると想像以上に反撞を受けて、鞍の上でポンポンと跳ねてしまいます。馬のリズムに合わせて鐙(あぶみ)から「立つ・座る」を繰り返して反撞を殺すわけですが、これがなかなか難しいのです!
初心者が軽速歩をする際に意識するべきことは、あぶみを支点にバランスを保つことです。上半身が後ろに置いていかれないよう、意識的に斜め前方に立つようするとよいでしょう。立つタイミングは、左回りであれば、右前肢が出るタイミングで立つ、右回りであれば、左前肢が出るタイミングで立ちます。どちらの場合も回っている方向の外側の肢が出るタイミングで立つ、と覚えるとよいでしょう。